普段は海釣りばかりでしたが子どもの頃、相模原市緑区(旧津久井郡)の根小屋に住む友人の親戚の家へ、夏休みになると何度も泊まりに行ったことがあります。
一番の楽しみは、友人の親戚家近くを流れる串川での川釣りでした。
山で切った竹で釣り竿を作り、川で石をめくってクロカワムシを採り、竹竿に糸と針、板オモリだけを付けたシンプルな仕掛けでウグイやハヤを釣る。釣れた魚は庭の焚き火で焼いて食べる――そんな遊びが、当時の私には最高の夏休みでした。

最近になって友人に電話すると、「あの頃食べていたウグイは本ウグイで、ハヤと呼んでいた魚はアブラハヤだった」と教えてくれました。
さらに驚いたのは、「上流のウグイは美味しかったけど、中流まで下ると美味しくなかっただろう」という一言です。
本当にウグイはまずい魚なのでしょうか。
神奈川県や農林水産省、食品安全委員会などの一次情報を調べると、ウグイは今でも食文化が残る地域があり、神奈川では遊漁券が必要になる川まであることが分かりました。
この記事では、昔の思い出と現在のルールをつなぎながら、神奈川の川釣りの意外なルールと、ウグイという魚の本当の魅力を解説します。
結論|神奈川の川釣りは「遊漁券がいらない」と思い込むと危険
私は、父親の影響もあり海ばかりで釣りをしてました。川釣りは、友人の親戚家近くを流れる川で釣るぐらいで、海と同様に川でも自由に魚を釣れるものと思ってました。
実際、子どもの頃に遊んだ串川にも漁協の看板を見た記憶はなく、「小魚を釣るくらいなら自由にできる川」という感覚でした。
しかし、大人になって調べてみると、その認識はかなり危険だと分かりました。
日本の川では各漁協が管理して放流を含む川の管理をお金をかけて守られてます。
神奈川県でも、漁協がない支流でも、相模川水系などの漁業権区域に含まれる区間では遊漁規則の対象になる場合があります。
つまり、「支流だから無料」「雑魚だから自由」という考え方は通用しないことがあるのです。
実際に知人の中津川漁協の方に電話で確認したところ、ウグイやオイカワだけを対象にした遊漁券(雑魚券)があることを教えてもらいました。ヤマメやニジマスとは別の料金体系になっており、現場で購入すると割高になるという話まで聞くことができました。
私はこの電話で、「雑魚にもルールがある」という事実に驚きました。
「ウグイやオイカワくらいなら自由に釣っていい」と思っていました。

川釣りに興味のある方は、そのぐらい認識されていると思います。
そこで、この記事では単に「遊漁券が必要です」と伝えたいのではありません。
どこまでが漁業権の対象なのか、串川のような支流ではどう考えればいいのか、そして昔食べたウグイは本当に美味しかったのか。
私自身が調べて分かったことを、神奈川県や漁協に確認した一次情報をもとに整理して釣り人目線でお伝えします。





まずは、45年前の夏休みに通った串川の思い出から話を始めたいと思います。
ここから少しだけ、45年前の夏休みに付き合ってください。
子どもの頃、串川でウグイを釣って食べた思い出



私が10歳くらいの頃、夏休みになると友人の親戚が住む相模原市緑区(旧津久井郡)の根小屋へ遊びに行ったことがあります。
車で2時間ほどかかる場所でしたが、その家に着くと(明日は下の川「串川」へ行こう)という叔父さんの一言が何より楽しみでした。
今のようにゲームもスマートフォンもない時代です。
朝から夕方まで川で遊び、魚を釣って食べる。
それだけで最高の一日でした。
山で切った竹で釣り竿を作った


釣り竿は買うものではありませんでした。
(もちろん竿は販売されてましたよ(笑))
叔父さんが山へ入り、細くてまっすぐな竹を切ってきてくれます。
その竹を適当な長さに切り、先端に糸を結ぶだけ。
リールもガイドもない、本当にシンプルな竹竿です。
子どもの私は、その竹竿を手にしただけで、ワクワクしたものです。
エサは石の下のクロカワムシ
仕掛けも驚くほど簡単でした。
ウキは使いません。
竹竿に糸を結び、針のすぐ上に板オモリを巻いただけです。
エサは店で買うものではなく、川の石をひっくり返してクロカワムシを採るのです。


叔父さんは「川虫はここにいるぞ」と言いながら石をめくり、私たちは夢中になって川虫を探しました。
その場で採ったエサを付けて流れに入れると、小さなアタリが手元に伝わります。
釣れてくるのはウグイやアブラハヤ、オイカワなど、当時はまとめて「ハヤ」と呼んでいた魚たちでした。
庭の焚き火で焼いたウグイは驚くほど美味しかった



釣った魚は持ち帰って終わりではありません。
叔父さんは余った竹で串を作り、庭で焚き火を始めます。
ウグイを竹串に刺し、炭ではなく薪の火でじっくり焼く。
皮が少し焦げて香ばしくなり、身はふっくらとしていました。
正直言って、当時は「ウグイはまずい魚」だと思ったことがありません。
むしろ、夏休みに食べる焼き魚の中で、とても美味しい魚という記憶が残っています。
久しぶりに友人へ電話してみた
この話が気になって、先日久しぶりに当時の友人へ電話してみました。
「そういえばさ、昔、串川で釣ってた魚って覚えてる?」
すると友人は、すぐに昔の話を思い出してくれました。
「ああ、覚えてるよ」
「ウグイって美味しかったよな!」
ところが、その話をすると、思いがけない言葉が返ってきました。
「あそこのウグイは美味しかったからって、家の近くで一緒に釣って食べたじゃねか!」
「え⁈そうだっけ?」
「忘れたのかよ!お前これ同じ魚かよって怒ってたじゃね~か」
完全に忘れているようです。忘れついでに、もう一つの疑問を聞いてみました。
「そう言えば当時釣ってた「ハヤ」という名前の魚が、図鑑に出てこないんだが?」
あ~ハヤね。俺も疑問に思ったことがあって、叔父さんに聞いた事あるんだ。
そしたら、当時「ハヤ」と呼んでいた魚はアブラハヤだった。
ウグイはウグイ。
そして、その他の細かな違いは、叔父さんが私たちに分かりやすいように、ざっくり「オイカワ」と呼んでいたらしい。
45年も経ってから、子どもの頃に聞いた魚の名前の答え合わせをすることになるとは思いませんでした。
それでも、なんだか不思議な気持ちになりました。
その疑問(物忘れ)が、この先の調査につながっていきました。
まずは、遊漁規則の調べた情報からお話します。
漁協がない川でも遊漁規則の対象になる場合がある
ここで、少しややこしい話があります。
「この川には漁協がないらしい。だったら遊漁券もいらないんじゃないか?」
川釣りを始めたばかりの人なら、そう考えてしまうのも無理はありません。
私も昔なら、きっとそう思ったでしょう。
ところが、今回あらためて神奈川県の川について調べてみると、「漁協がない川=自由に魚を釣っていい川」とは限らないことが分かりました。
ポイントになるのは、その川そのものに漁協があるかどうかではありません。
その川に漁業権が設定されているのか、また、どの漁業協同組合の遊漁規則が関係する区域なのか。
ここを確認する必要があります。
実際、私が子どもの頃に遊んだ串川に友人の電話の後に遊びに行って今回あらためて調べるきっかけになった出来事があります。
串川には独立した漁協があるわけではありません。
ところが、相模川へ合流する下流側では、鮎などの魚が遡上することから、相模川との関係で漁業規則の対象になる区域があります。
実際に、現在の串川で釣りをしていた人が、漁協関係者から「ここは遊漁規則の対象になる」と注意されたという事例もあります。
つまり、
「漁協がないから遊漁券はいらない」
と川の名前だけで判断するのは危険なのです。
一方で、串川のすべての区間が同じ扱いになるわけでもありません。
河川は、途中に堰堤があったり、支流と本流が分かれたり、漁業権の設定区域が区切られていたりします。
そのため、「串川だから有料」「串川だから無料」と一括りにするのではなく、実際に釣りをする場所がどの区域に入っているのかを確認することが大切です。
これは串川だけの話ではありません。
神奈川県で川釣りをするなら、
「漁協があるか?」ではなく、「この場所には漁業権や遊漁規則が設定されているか?」
という視点で確認する。
これが、今回の記事で私が昔の川遊びから学んだ一番大きなことです。
子どもの頃は、竹竿一本で夢中になってウグイを追いかけていました。
でも、大人になった今だからこそ分かります。
川で魚を釣るということは、魚がいる場所だけを探せばいいわけではない。
その川のルールまで調べてから釣りをする。
それが、昔とは違う現在の川釣りなのだと思います。
参考:神奈川県「川・湖のルールを守りましょう」
大人になって知った「ハヤ」の正体
あの頃、叔父さんは魚を見れば、迷うことなく名前を教えてくれました。
「これはウグイだ」
「こっちはハヤ」
「これはオイカワだな」
子どもの私たちは、それをそのまま信じていました。
串川で釣れる魚には、それぞれちゃんと名前がある。
そう思っていたのです。
ところが、大人になってから川魚のことを調べていて、ある日ふと気がつきました。
「ハヤ」という名前の魚が、図鑑に出てこない。
「あれ? ハヤって魚、いないの?」
子どもの頃の記憶が、急に気になり始めました。
調べてみると、「ハヤ」は特定の1種類の魚を指す正式な標準和名ではなく、ウグイやアブラハヤなど、細長い体型をした身近な淡水魚をまとめて呼ぶ地域名・通称として使われてきた言葉だと分かりました。
つまり、45年前の私たちが「ハヤ」と呼んでいた魚も、魚の種類として間違っていたというより、当時の地域で使われていた呼び方だったのでしょう。
魚の名前を正確に覚えていなかったのに、あの川で釣った魚の姿や、竹竿を握った感触、焚き火で焼いた味は、今でも覚えている。
釣りというのは、そういうものなのかもしれません。
魚の名前を覚えることも大切ですが、子どもの頃に川で魚を追いかけた時間そのものが、ずっと記憶に残っているのです。
「あのウグイは美味しかった」の理由



私たちがウグイを釣っていたのは、神奈川県の津久井・根小屋周辺を流れる串川。丹沢・道志山系から流れてくる水に育まれた、山あいの小さな川でした。
当時は、今のように「水質」という言葉を意識して釣りをしていたわけではありません。
ただ、川の水はきれいで、石の下にはクロカワムシがいて、そこに魚がいる。
そして釣ったウグイを、その日のうちに庭の焚き火で焼いて食べる。
それだけでした。
でも今になって考えると、ウグイの食味は、同じ魚でも「どこで育ったか」に大きく左右される魚だったのかもしれません。
水のきれいな場所で育ったウグイだから美味しかった?
ウグイは、川の上流から下流まで比較的幅広い環境に生息する魚です。だからといって、どこで釣っても同じ味になるわけではありません。
川魚には、育った水域や餌、河川環境などによって、臭いや食味に違いが出ることがあります。私たちが子どもの頃に釣っていた串川のウグイは、山から流れてくる水の中で育っていました。
友人が言っていた、
「あそこのウグイは美味しい」
という言葉も、今になってみると、単なる子どもの思い出ではなかったのかもしれません。
逆に、川の中流域で釣ったウグイを食べて、
「なんだこれ。同じ魚なのかよ!」と子どもの私が怒っていたという話には、思わず苦笑しまいました。
魚そのものが違うのではなく、育った環境が違えば、食べたときの印象も変わる。
これは、今回あらためてウグイを調べてみて、私自身が面白いと思ったところです。
焚き火でじっくり焼いたことも大きかった
そして、もう一つ忘れてはいけないのが、焼き方です。
当時の私たちは、釣ったウグイを持ち帰って、叔父さんが余った竹で作った串に魚を刺していました。庭で薪に火をつけ、ウグイをその火でじっくり焼く。
ただ、魚を串に刺して、火から少し離したところでじっくり焼いていく。皮がパリッと香ばしくなり、身から脂がにじんでくる。
子どもの私には、それがとにかく美味しかった。
そして友人と話していて気づいたのが、**「ウグイは小骨が多かったはずなのに、なぜあまり気にならなかったのだろう?」**ということでした。
友人は「庭でじっくり焼いたからじゃねえの?」と笑っていました。
もちろん、当時の調理条件を正確に再現して検証したわけではありません。ですから、「焚き火だから小骨が食べやすくなった」と断定することはできません。
ただ、遠火で時間をかけて焼いたことで、骨までしっかり火が通り、皮が香ばしく仕上がっていたという可能性はあります。
少なくとも、私の記憶の中に残っているウグイは「小骨が多くて食べにくい魚」ではありません。
「皮がパリッとして、身がふっくらした、あの川で釣った美味しい魚」です。45年ほど経った今でも、その味を覚えているのだから不思議なものです。
「ウグイは美味しくない」は、魚だけの問題ではないのかもしれない
現在、ウグイという名前を聞いて「川魚でしょ?」「小骨が多そう」「そもそも食べる魚なの?」と思う人も多いかもしれません。
私自身も、大人になってからは、ウグイを食べる機会はほとんどなくなりました。しかし、今回昔の記憶をたどり、友人と話をしてみて思ったのです。
ウグイが美味しいかどうかは、魚の名前だけでは語れないのではないか。
どんな川で育ったのか。
どんな餌を食べていたのか。
そして、どうやって持ち帰り、どう調理したのか。
それらが重なって、私たちの記憶に残る「あのウグイの味」になっていたのかもしれません。
もちろん、現在の川で釣ったウグイを食べる場合は、遊漁規則や採捕ルールを確認したうえで、淡水魚特有の寄生虫リスクにも十分注意する必要があります。
子どもの頃は何も知らずに食べていました。
でも、大人になった今なら、昔の思い出をそのまま再現するのではなく、現在のルールと安全対策を知ったうえで、川魚の食文化を見直す。
そのほうが、ずっと面白いのかもしれません。
神奈川の川魚にも遊漁規則がある
神奈川県によると、県内では多摩川、相模川水系、酒匂川水系、早川水系、千歳川水系、芦ノ湖などに内水面の漁業権が設定されています。
そして、漁業権が設定された河川や湖では、漁業権者が遊漁規則を定めています。
参考:神奈川県「川・湖のルールを守りましょう」
つまり、
「川だから無料」
「小魚だから遊漁券はいらない」
とは限らないのです。
ウグイやオイカワも遊漁券の対象になる
今回、私が特に驚いたのがここでした。
神奈川県の内水面漁業権の資料を見ると、漁業権の対象魚として、うぐい・おいかわ・ふな・こい・うなぎなどが設定されている水域があります。
参考:神奈川県「内水面漁業権全図」
たとえば多摩川では、遊漁規則の対象魚として、
こい・ふな・うぐい・おいかわ・うなぎ
などが明記されています。しかも手釣・竿釣については、これらの魚を対象とする遊漁期間が1月1日から12月31日までとされています。
参考:神奈川県「遊漁規則」
酒匂川でも、遊漁規則の対象となる水産動物として、
やまめ・いわな・にじます・あゆ・うぐい・おいかわ・ふな・こい・うなぎ
が明記されています。さらに、竿釣やウナギを対象とする「もじり」で遊漁する場合には、遊漁料を納付する必要があります。
つまり、私が子どもの頃に串川で釣っていたような**「雑魚」と呼ばれがちな魚にも、場所によってはきちんとルールがある**わけです。
これは、今回の記事を書くまで私も知りませんでした。
「漁協がない=自由に釣れる」ではない
そして、ここは今回の記事で特に覚えておいてほしいところです。
神奈川県は、漁業権が設定されている河川・湖だけでなく、漁業権の有無にかかわらず、県内の内水面全体に神奈川県漁業調整規則が適用されると案内しています。
県の規則では、使用できる漁具・漁法、採捕禁止期間、魚種ごとの大きさの制限などが定められています。
たとえば現在の神奈川県では、コイは全長18cm以下、ウナギは全長24cm以下の個体について採捕が禁止されています。
ですから、
「この川には漁協の看板がないから大丈夫だろう」
という判断だけで釣りを始めるのは危険です。
①その川に漁業権が設定されているのか
②対象魚は何なのか
③遊漁券が必要なのか
④釣り方や期間に制限がないか
この4つを確認してから釣りをする。それが、現在の川釣りでは大切です。
そして、ここで私の中に一つの疑問が生まれました。
「では、子どもの頃にウグイを釣っていた串川は、いったいどうだったのだろう?」
45年前には、そんなことを考えたこともありませんでした。
次は、私が今回あらためて調べてみた**「串川と遊漁券の関係」**についてお話しします。
串川は無料で釣れるのか?
「串川は遊漁券がいらない川なのでは?」と思ってしまいますよね。
ところが、調べていくと、そう簡単な話ではありませんでした。
串川の下流側には「遊漁券が必要な区間」がある


今回、私が確認した情報では、串川で小物釣りをしていた釣り人に対して、相模川漁業協同組合の監視員が、串川の漁業規制について説明していました。
その説明によると、串川と相模川の合流地点に近い下流側には堰堤があり、その堰堤より相模川側では、遊漁券が必要。
一方で、遊漁券なしで串川の釣りを楽しみたい場合は、堰堤より上流で釣るように。
という内容でした。
「アユを狙っているわけではなく、オイカワなどの小魚を釣っている」と説明すると、それに対して監視員は、「アユを狙っていなくても、雑魚券が必要」という趣旨の説明をしています。
実際に県の情報を調べると
相模川漁業協同組合連合会の遊漁規則でも、内共第1号の対象魚には、アユだけでなく、ウグイ・オイカワ・フナ・コイ・ウナギ・手長エビなどが含まれています。竿釣などでこれらを採捕する場合には、遊漁料の納付が必要とされています。
神奈川県も、漁業権が設定されている河川では漁業権者が遊漁規則を定めていることを案内しています。さらに、県の漁業調整規則は漁業権の有無にかかわらず、神奈川県内の内水面全体に適用されます。
参考:神奈川県ルールを守りましょう





ここに出た手長エビ、子供連れでも簡単に釣れ
食べて美味しい♪
そんなてな手長エビの規制情報も解説してます。
「相模川の場合は」馬入橋が決めて!詳しくは下記の記事で詳しく紹介しています。
なぜ串川に堰堤があるのか?


そして、今回の話でもう一つ興味深かったのが、なぜ串川のその場所に堰堤があるのかということです。
これは私自身の推測も含まれるため、断定は避けたいところですが、考え方としては分かりやすいものがあります。
相模川本流には、漁協が管理している漁場があり、アユをはじめとする水産資源の管理や放流などが行われています。
実際、相模川第一漁協も、漁場に対して放流や管理を行っていることを案内しています。
そのため、
「本流で管理している魚が支流へ遡上していく可能性」を考えれば、支流との境界をどう扱うのかは、漁協にとって重要な問題になります。
ただし、「串川の堰堤は漁協の魚を遡上させないために設置された」とまでは、今回確認した公的資料からは断定できません。
串川では、相模川との合流地点に近い下流側に堰堤があり、相模川漁協の監視員は、その堰堤より下流側を遊漁規則の対象として説明していました。
遊漁券なしで串川を釣るなら「堰堤より上流」が安心
今回の情報を整理すると、串川で釣りをする場合は、
「串川には漁協がないから無料」と考えるのではなく、「どこからが相模川の漁業権・遊漁規則の対象になるのか」を確認することが大切です。
そして今回確認した監視員の説明では、
遊漁券なしで串川の小物釣りを楽しむなら、相模川との合流地点側ではなく、堰堤より上流。という線引きが示されていました。
これは、私が45年前に知りたかった情報でもあります。あの頃は、そんなルールがあることすら知りませんでした。(実際にさらに上流なので問題無かったのですが)ただ川があって、魚がいて、竹竿があれば釣る。
それだけでした。
でも今は違います。川魚を釣る前に、その場所がどの漁協の漁場なのか、遊漁券が必要なのかを確認する。
それだけで、監視員とのトラブルも避けられます。そして何より、「知らなかった」ではなく、「知ったうえで川を楽しむ」ことが、今の川釣りには必要なのだと思います。
※串川の遊漁区域や遊漁券の扱いは、現地の掲示や漁協の最新案内によって変更される可能性があります。この記事では、確認できた相模川漁協関係者の説明と公開されている遊漁規則をもとに紹介しています。実際に釣行する際は、最新の情報を確認してください。





ちなみに雑魚券現場売り1400円
店売り800円だそうです。
川魚を食べるなら寄生虫にも注意
川魚は昔から日本各地で食べられてきました。
ウグイの塩焼きや甘露煮、コイ料理、フナの甘露煮、ナマズの蒲焼きなど、今回紹介してきた魚にも、それぞれ地域に根付いた食文化があります。
ただし、川魚を自分で釣って食べるなら、海の魚とは少し違った注意が必要です。


特に知っておきたいのが、淡水魚に関係する寄生虫です。
代表的なのが、
などです。
食品安全委員会によると、横川吸虫はアユ、ウグイ、オイカワ、コイ、フナなどが感染源となることがあります。また、顎口虫ではナマズ、ドジョウ、ライギョなどが原因魚として挙げられています。
つまり、今回紹介した魚の中にも、生食を避けなければならない魚が複数含まれているということです。
横川吸虫|ウグイやオイカワ、コイ、フナなどに注意



横川吸虫は、淡水魚を生または加熱不十分な状態で食べることで感染する可能性がある寄生虫です。
今回の記事で紹介した魚では、
ウグイ・オイカワ・コイ・フナ
が食品安全委員会の資料で感染源として挙げられています。
横川吸虫について興味深いのは、冷凍すれば何でも簡単に大丈夫、とは考えないほうがいいことです。
食品安全委員会の資料には、アユについて「-3℃で3日間冷凍することで感染を防げた」とする報告が紹介されています。
ただし、これはあくまで文献上の報告です。家庭用冷凍庫の温度管理は一定ではないため、釣った川魚を安全に食べる方法としては、冷凍に頼らず、中心まで十分に加熱することを基本にするのが分かりやすいでしょう。
参考:食品安全委員会寄生虫による食中毒
顎口虫|「冷凍すれば安心」と考えない
今回の記事で特に注意しておきたいのが顎口虫です。
顎口虫は、感染すると幼虫が体内を移動し、皮膚が腫れたり、かゆみや痛みを伴う皮膚爬行症を起こすことがあります。
厚生労働省も、過去にはライギョの生食を原因とする顎口虫症が多く発生し、その後もドジョウやヤマメ、ナマズなどの生食による症例が報告されているとしています。
顎口虫は、家庭用冷凍庫で凍らせれば安心、とは言えません。
食品安全委員会の資料では、顎口虫について、-30℃で4日間以上、-35℃で15時間以上、-40℃で40分以上という凍結条件が示されており、一般家庭の冷凍庫(およそ-18℃)では死滅しないとされています。
参考:食品安全委員会
ですから、
「釣ったナマズを冷凍しておけば刺身で食べられる」
という考え方は危険です。



川魚はしっかり加熱して食べる。
これが家庭で釣川魚を食べる場合の、もっとも分かりやすい安全策です。
川魚は「生食しない」が一番分かりやすい
川魚の寄生虫対策について、細かな冷凍条件を覚えるよりも、釣り人として覚えておきたいのはシンプルです。


川で釣った魚は、生で食べない。
そして、
中心までしっかり加熱する。
食品安全委員会も、魚介類について寄生虫対策として中心まで火が通るよう十分加熱して食べることを案内しています。
今回紹介したウグイ、オイカワ、コイ、フナ、ナマズも、焼き魚、甘露煮、煮付け、蒲焼きなど、加熱料理との相性が良い魚ばかりです。
昔の川釣りを思い出すと、私が串川で釣ったウグイも、最後は庭の焚き火でじっくり焼いて食べていました。
今振り返れば、あの食べ方は「昔ながらの料理」というだけではなく、川魚を安全に食べるという意味でも理にかなった方法だったのかもしれません。
よくある質問


Q. 神奈川の川で釣りをする場合、遊漁券は必要ですか?
川によって異なります。
「小さな川だから遊漁券はいらない」「漁協が見当たらないから無料」とは限りません。
河川や区間によって漁業権が設定されている場合があり、対象魚だけでなく、ウグイ・オイカワなどのいわゆる雑魚についても遊漁券が必要になる場合があります。
今回紹介した串川についても、川全体を「無料で釣れる川」と一括りにするのは避けたほうが安全です。
実際に釣りをする場所については、その区間を管理する漁協の遊漁規則や、県の最新情報を確認してから出かけましょう。
Q. 鮎やヤマメを狙わなければ遊漁券はいらないのでは?
これも注意が必要です。
遊漁規則では、鮎やヤマメなどの人気魚種だけでなく、ウグイ・オイカワなどを「雑魚」として遊漁の対象にしている場合があります。
つまり、
「鮎は狙っていないから大丈夫」
とは限りません。
小魚釣りや子どもの川遊びのつもりでも、その場所の規則で遊漁券が必要とされているなら、ルールに従う必要があります。
Q. 子どもが川でウグイやオイカワを釣る場合も遊漁券が必要ですか?
年齢による免除があるかどうかは、漁協や遊漁規則によって異なります。
私が中津川でヤマメ釣りをしていた頃、現場で取り締まりをしていた方からも、18歳未満の子どもは無料という話を聞きました。
ただし、これは私が聞いた中津川漁協での話です。
神奈川県内すべての河川で同じ条件とは限りません。
子どもと川釣りに行く場合も、「子どもだから無料」と決めつけず、その川の最新の遊漁規則を確認するのがおすすめです。
Q. 串川は無料で釣りができますか?
ここは、今回の記事で一番注意してほしいところです。
「串川ならどこでも無料」とは考えないでください。
串川には、相模川との合流部に近い区間に堰堤があります。
今回確認した情報では、相模川との合流部側にある区間について、相模川の漁業権・遊漁規則との関係から、堰堤より上流と下流側で扱いが異なるとされています。
そのため、遊漁券を購入せずに小物釣りを楽しみたいのであれば、
「串川だから無料」ではなく、漁業権の対象となっていないことを確認できる区間を選ぶ
という考え方が安全です。
Q. 昔は串川で普通にウグイを釣って食べていました。今も食べられますか?
はい。ウグイそのものは食用になる魚です。
実際、私自身も子どもの頃、串川で釣ったウグイを庭の焚き火で焼いて食べた記憶があります。
ただし、現在釣った川魚を食べる場合は、生食や加熱不十分な状態は避けることが大切です。
ウグイは横川吸虫の感染源となる魚として食品安全委員会の資料にも挙げられています。
「昔食べて大丈夫だったから、今も生で食べられる」という考え方ではなく、しっかり加熱して食べることを基本にしましょう。
Q. ウグイは本当に美味しい魚なんですか?
これは、かなり環境や調理方法によって印象が変わる魚だと思います。
私自身、子どもの頃に串川で食べたウグイは、とても美味しかった記憶があります。
一方で、友人からは、
「あそこのウグイは美味しいけど、中流まで下ると昔も美味しくなかっただろ」
と言われました。
水質や生息環境によって食味の印象が変わることは、川魚を食べるうえで無視できないポイントです。
さらに、ウグイには細かな骨が多いため、焼き方や食べ方によっても印象が変わります。
私たちが子どもの頃に食べたウグイは、庭の焚き火でじっくり焼いたものでした。
今思えば、あの皮がパリッとして、身がふっくらした焼き上がりが美味しさの大きな理由だったのかもしれません。
Q. 川魚は冷凍しておけば刺身で食べられますか?
おすすめしません。
淡水魚には、横川吸虫や顎口虫など、海の魚とは異なる寄生虫のリスクがあります。
特に顎口虫については、食品安全委員会が家庭用冷凍庫程度の温度では死滅しないとしています。
そのため、「釣った川魚を冷凍したから刺身で食べても大丈夫」とは考えないほうが安全です。
川魚は、中心まで十分に加熱して食べることを基本にしましょう。
Q. 川魚を美味しく食べるなら、どんな料理がおすすめですか?
魚によって向いている料理が違います。
今回紹介した魚なら、例えば、
- ナマズ → 蒲焼き・天ぷら
- ウナギ → 蒲焼き・白焼き
- オイカワ → 焼き物など
- ウグイ → 塩焼き・甘露煮・南蛮漬け
- コイ → 鯉こく・甘露煮
- フナ → 甘露煮
などがあります。
特に川魚は、焼く・煮るなどの加熱料理と相性が良い魚が多いのも魅力です。
Q. 川釣り初心者は、まず何を確認すればいいですか?
私は、次の順番で確認することをおすすめします。
① 釣る場所を決める
↓
② 漁業権が設定されていないか確認する
↓
③ 漁協の遊漁規則を確認する
↓
④ 遊漁券が必要なら事前に購入する
↓
⑤ 禁止期間・禁止区域・サイズ制限を確認する
↓
⑥ 釣った魚を食べるなら十分に加熱する
特に重要なのが、「魚種」だけで判断しないことです。同じウグイを釣る場合でも、河川や区間によってルールが変わることがあります。
昔の私たちは、竹竿と川虫だけ持って川へ行けば釣りができました。
でも今は、昔の記憶だけを頼りにするのではなく、「この場所では、今どういうルールなのか?」を確認してから遊ぶ。
それが、子どもたちにも川釣りを残していくために大切なことだと思います。
まとめ|神奈川の川釣りは「昔の感覚」だけで判断しない



子どもの頃、友人と津久井の根小屋へ遊びに行き、串川で釣ったウグイ。
山から切ってきた竹で竿を作り、石の下からクロカワムシを探して、釣れた魚は庭の焚き火で焼いて食べる。
今振り返っても、あれは単なる川遊びではなく、川と魚と人がつながっていた時間だったように思います。
そして大人になってから知ったのが、「ハヤ」という魚は正式な標準和名ではなく、地域によってウグイやアブラハヤなどを指して使われる呼び名だったということ。
さらに、当時は何も考えずに釣っていたウグイやオイカワにも、現在では遊漁規則があり、場所によっては遊漁券が必要になることも分かりました。
特に神奈川県の川では、
「小さな川だから無料」
「鮎を狙っていないから遊漁券はいらない」
「漁協がないから自由に釣れる」
とは限りません。
支流であっても、本流から魚が遡上するなどの理由で漁業権の対象となる区間があります。
今回の串川についても、川全体を「無料で釣れる川」と考えるのではなく、実際に釣る場所がどの漁業権・遊漁規則の対象になるのかを確認することが大切です。
そして、釣った川魚を食べるなら、もう一つ忘れてはいけないのが寄生虫です。



ウグイやオイカワ、コイ、フナなどは横川吸虫の感染源となる魚として挙げられています。また、ナマズなどでは顎口虫のリスクもあります。
そのため、川魚は生食や加熱不十分な状態を避け、十分に加熱して食べることが基本です。



釣り魚料理は、多数記事があります♪
カテゴリー【釣り魚料理】で検索できます。
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