潮干狩りでたっぷり採れたアサリ、ハマグリ、そしてちょっと見た目にギョッとするような貝——ツメタガイ。せっかく自分で採った貝だからこそ、新鮮なうちに美味しく食べきりたいものです。今回は、代表的な潮干狩りの貝たちの下処理方法から、簡単で家族にも喜ばれるレシピまでをご紹介します。
潮干狩りの行き先を悩んでる方は下記の記事で詳しく解説しています。
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潮干狩りのあとにやるべきこと:まずは「砂抜き」
潮干狩りから帰ったら、まずやるべきは砂抜きです。これを丁寧に行わないと、せっかくの料理もジャリッとした食感になって台無しに。
以下に基本の砂抜き方法を流れに沿って説明します。
【ハマグリの裏ワザ砂抜き】

ハマグリの砂抜きを短時間で行う方法として「50度洗い」があります。これは、50度のお湯にハマグリを浸けることで、砂を吐き出させる方法です。以下の手順で行います。
- 50度のお湯を準備(熱すぎると貝が死んでしまうので注意)。
- ハマグリをお湯に浸ける(約5分間)。
- 軽くゆすぎながら砂を出させる。
- 流水で殻をこすり洗いする。

この方法は、通常の塩水を使った砂抜きよりも短時間で済むため、すぐに調理したいときに便利です。ただし、50度洗いは「砂を完全に吐き出させる」というよりも、「貝の表面についた砂を押し出す」イメージなので、確実に砂を抜きたい場合は塩水での砂抜きが推奨されます。塩水で砂抜きも紹介します。アサリ・ハマグリ共通の方法なので紹介します。
ハマグリ・アサリの砂抜き方法

バケツやボウルに海水と同じ濃度(約3%~3,5%)の塩水を用意し、貝を重ならないように並べて静かな場所に置きます。新聞紙などを軽くかぶせて暗くすると、よく砂を吐いてくれます。
室温で2~3時間が目安。その後、軽く貝同士をこすり合わせて洗い、水気を切れば下処理完了です。冷蔵庫で保存する場合は、濡れ布巾をかけて乾燥を防ぎましょう。
通常の塩分計測器は、測定範囲:0.0~1,2程度ですが
タニタ(Tanita) 塩分計は、測定範囲:0.0~5.0%(最小単位:0.1%)です。


砂抜きだけなら不要ですが一家に1つあると重宝します。
砂抜きだけなら計量スプーンで十分です。
ちなみ大さじ一杯は何グラム?ご存知ですか?
◆砂糖・塩などの固形原料の重量一覧表
調味料名 | 大さじ1 | 小さじ1 |
---|---|---|
砂糖(上白糖) | 9~10g | 約3g |
砂糖(グラニュー糖) | 12~13g | 約4g |
精製塩(さらさら系) | 約18g | 約6g |
粗塩(つぶつぶ系) | 約15g | 約5g |
薄力粉・片栗粉 | 9g | 3g |
いりごま | 9g | 3g |



難しい話は不要ですよね。
砂抜きに必要分量を紹介します。





砂抜き用の海水作りは、
1ℓの水に塩35gが目安にしてください。
【15ml】【7,5ml】【5ml】【2,5ml】【1,25ml】【0,63ml】の6本セット

【ツメタガイの下処理と注意点】

ツメタガイはそのユニークで気持ち悪い!そんな見た目から「これは食べられるの?」と不安になる方も多いかもしれません。でも実は、アワビのような食感が楽しめる美味しい貝なんです。
ただし、注意すべきは「毒があるのでは?」という誤解と、鮮度が落ちやすいこと。潮干狩り後はできるだけ早めに加熱調理しましょう。
※毒はありません。念のため内臓は食べない方がいいです。


別に気持ち悪く思わないけど⁉



なら採取してしばらく見ててご覧ん♪




た、確かに!
下処理としては、まず殻ごと水洗いして汚れを落とし、沸騰したお湯に塩を少し加えて15〜20分ほど茹でます。すると身が縮んで取り出しやすくなります。
中身を取り出したら、内臓部分(茶色や黒っぽい部分)を包丁で取り除きます。貝柱と白っぽい筋肉質の身が可食部分です。ここをスライスしてレシピに使います。
その他の下処理方法も2種類あります。
方法1(時間はかかるがやわらかく仕上がる)
- 流水で解凍する
- スプーンの柄などを貝のフタの付け根に差し、身を取り出す
- スプーンの縁で腹足の黒い色素と粘液をこそげ落とす
- 貝のフタを持ってフタの裏やヒダの間の砂を洗い流し、内臓を取り除く
- ザル付きのボウルでもみ洗いし、身が白くなるまで水を替えながら数回行う
- 鍋に身と水を入れ、沸騰してから15分加熱し、アクを丁寧にすくう
- 火を止め、鍋にフタをして一晩放置する
方法2(電子レンジで簡単、シャキシャキ食感)
- 上記の1~5までは同じ
- 酒30mLに水120mLを加える(酒を5倍に希釈した液)
- ツメタガイ100g(むき身で4個程度)に上記の液を150mL加え、身の全体が液に浸るくらいの容器に入れる
- ラップして500Wの電子レンジで約2分間加熱する(沸騰直前でアクが出始めるくらいまで)
- 加熱終了後すぐにラップをはずし、液ごとザルにあげる
バカ貝の下処理方法


バカ貝(アオヤギ)は「青柳」とも呼ばれ、砂に潜って生息する二枚貝です。砂抜きが難しいとされていますが、以下の方法で簡単に処理できます。
- 冷凍する: 潮干狩り後、表面をざっと洗い、チャック袋に入れて冷凍します。
- 流水解凍: 使用する際は、流水で約5分間解凍します。
- 殻を開く: 冷凍により貝柱が伸びるので簡単に開けられます。
- 水で砂を流す: 開いた貝に水を当て、エラ部分や水管周辺の砂を丁寧に洗い流します。
- 水管の近くの粘膜を取る: 水管近くの粘膜を引っ張って砂を取り除きます。
貝を開いた身を見るとバカ貝知らない人でもスーパーのあれね!
そう思うでしょうから写真でお見せしますね。


砂抜きと注意点
潮干狩りで貝の種類に自信のない方や詳しく読んでみたい方は、下記の記事をどうぞ♪
家族で楽しめる!潮干狩りの貝を使った簡単レシピ
上手くたくさん採れた方、いまいち数が採れ無かった方も潮干狩りのコツ!
興味ある方は、合わせてご覧ください♪
アサリ
【アサリの酒蒸し】


王道にして失敗しない一品。
フライパンに砂抜き済みのアサリを入れ、酒をひたひたに注いで蓋をして中火で加熱。
貝の口が開いたらすぐ火を止め、仕上げに刻んだ万能ねぎやバターを乗せても美味しいです。
子どもも食べやすく、汁まで飲み干したくなる味です。
スパゲッティ・ボンゴレ







スパゲッティを茹でる目安
水1リットルに塩10gが目安にすると美味しくできます。
ハマグリ
【はまぐりとほうれん草の潮汁】


はまぐりとほうれん草の潮汁は、シンプルながらも旨味が際立つ日本料理ですね。以下のレシピで作れますよ!
材料(2人分)
作り方
- はまぐりの砂抜き
はまぐりをバットに入れ、海水程度の塩水に浸して新聞紙をかぶせ、暗い場所で1時間ほど置いて砂を吐かせる。殻をこすり合わせて洗い、水気を切る。 - ほうれん草の下準備
熱湯に塩を適量入れてほうれん草を茹で、水にとって冷まし、水気を絞ってみじん切りにする。 - 潮汁の出汁を作る
鍋に水2カップ、昆布、酒を入れて10分ほど置き、はまぐりを加えて火にかける。煮立ったら昆布を取り出し、アクを取り除く。はまぐりの口が開いたら取り出し、煮汁をペーパータオルを敷いたザルで濾す。 - 味付けと仕上げ
鍋をきれいにし、濾した煮汁を戻し入れて温め、ほうれん草、塩、しょうゆを加える。 - 盛り付け
器にはまぐりと潮汁を入れ、しょうが汁をかけて完成!
このレシピを参考に、美味しい潮汁を作ってみてくださいね♪
ツメタガイのおすすめレシピ
【ツメタガイのバターソテー】
ツメタガイの身はコリコリとした食感でクセがなく、バターとの相性も抜群です。
下処理済みのツメタガイを薄切りにし、フライパンでバターを熱し、ニンニクのみじん切りを加えて香りが立ったらツメタガイを投入。
中火で軽く炒めて、仕上げに醤油を少々垂らせば完成。ご飯のおかずにも、お酒のつまみにもぴったりの一品になります。
ツメタガイは見た目のインパクトとは裏腹に、とても美味しい貝です。「気持ち悪いから…」と捨ててしまうのはもったいない!
青柳の辛子酢味噌和え


青柳の辛子酢味噌和えは、青柳(バカガイ)を辛子酢味噌で和えた、さっぱりとした味わいの日本料理ですね。以下のレシピで作ることができます。
材料(2人分)
作り方
- 青柳は少しお湯で茹でて、臭みを取り除く。
- わかめは一口大に切り、ネギは細かく輪切りにする。
- 青柳とわかめを酢味噌で和え、最後にネギをふりかける。
このレシピは、青柳の風味を活かしつつ、酢味噌の酸味と辛子のピリッとした味わいが絶妙にマッチします。ぜひ試してみてください!
その他の貝
- バカ貝のバターソテー:クセが少なく食べやすい
- シオフキ貝の味噌汁:アサリと同様の扱いでOK
潮干狩りで採れた貝の保存方法
- 冷蔵保存: 砂抜きをした貝は、水に浸さずに湿らせた布などをかけて冷蔵庫で2~3日保存できます。
- 冷凍保存: 砂抜きをした貝の表面を拭いて、チャック付き保存袋に入れて冷凍保存します。使用時は解凍せず、凍ったまま調理します。
潮干狩りで獲れた貝は、適切な下処理と調理法で、その旨味を最大限に引き出しましょう。砂抜きのコツをマスターすれば、ジャリジャリした食感に悩まされることなく、美味しい貝料理を楽しむことができます。
資源保護の視点からも注目されるツメタガイの活用
ツメタガイはアサリやハマグリを食べてしまう「貝泥棒」として、漁業者の間では厄介者とされています。
潮干狩り場でも「ツメタガイは持ち帰ってください」と案内されることがあるほど。
そんなツメタガイを、捨てずに美味しく食べることで、結果的にアサリ資源の保護にもつながります。
最初は「なんか気持ち悪いかも…」と思った方も、コリコリとした歯ごたえとクセのない旨味に、きっと驚くはず。
ぜひ一度チャレンジしてみてください。
まとめ|潮干狩りは「食べるところ」までが楽しい!
潮干狩りは、家族みんなで自然と触れ合える楽しいイベントですが、その魅力は「食べること」にこそあります。
下処理をしっかり行えば、どの貝も美味しくいただけますし、苦手意識がある貝も新たな発見につながるかもしれません。
特にツメタガイのような“嫌われ者”が、実はごちそうに変わる体験は、子どもたちにとっても良い食育になるはず。
次の潮干狩りでは、ぜひいろんな貝にチャレンジして、美味しく食べてみてくださいね!





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